1)離職に伴うコスト●,●●●万円!?

離職に伴うコストが、どのくらいかかるのか考えたことありますか?
例えば、従業員数100名、離職率3%、想定年収500万円、人材紹介⼿数料30%、採⽤までの⽉数3ヶ⽉の場合、
約1,670万円のコストがかかります。
1) 1人あたり採用費×自発的離職者数 450万円
2) 1人あたり教育費×自発的離職者数125万円
3) 離職者の業務を補う残業代等470万円
4) 1人あたり売上高×自発的離職者数1,125万円
5) 1人あたり給与・福利厚生費△500万円
かかるのはコストだけではありません。

求人を出してもすぐには人が集まらなかったり、向上的に人材が不足しているのが現状ではないでしょうか?
また、日本の生産年齢人口減少は加速しており、2050年には現在の2/3(約5,300万人)に減少すると予測されています。さらには、外国人労働者も不足する見通しです。
せっかく採用しても辞めていく人が多かったり、教育しても長続きしなかったり・・・

このような慢性的な人材不足の中で、働き方改革等により法の規制も厳しくなっています。
長時間労働を抑制すれば、少なからず利益と生産性に影響を及ぼすこととなり、売上の向上が難しくなり、昇給やボーナス支給等賃金への反映も難しくなっていき悪循環に陥ります。

企業価値を向上させるため=利益の向上と成長への期待高めるためには、
自社に合った“優秀な人材の確保と定着”が必要です。
そのためには、経営戦略と人材戦略に沿った人的資本投資(人への投資)戦略的な人的情報の開示を行うことが重要です。

HCMにおけるコンサルティングサービスについて

2)どうして“優秀な人材の確保と定着”が必要なのか?

企業価値を向上させるため=利益の向上と成長への期待を高めるためです。

利益を向上させるためには、人材を確保しなければなりません。成長への期待を高めるためには、人材を定着させなければなりません。
自社に合った“優秀な人材の確保と定着”のためには、経営戦略と人材戦略に沿った
1.エンゲージメント向上を目指すこと
2.人材(後継者)を育成していくこと
3.人材への必要な投資を行うこと
など人への投資である、人的資本投資(人への投資)戦略的な人的情報の開示を行うことが重要です。

このような経営戦略と人材戦略に沿った人的資本投資(人への投資)戦略的な人的情報の開示が自社に合った“優秀な人材の確保と定着”に繋がります。
また、人的資本への投資がなければ、今後事業継続、後継者育成などは不可能と言っても過言ではないでしょう。

3)やるべきことは、戦略的な”人的情報の開示”

どうして“優秀な人材の確保と定着”のために、“人的情報の開示”が必要なのでしょうか?

パーソル総合研究所「人的資本情報開示に関する調査【第2回】~求職者が関心を寄せる人的資本情報とは~」では、転職検討者のうち優秀人材とされている人は、「リーダーシップ開発」、「後継者準備度合」、「採用」、「エンゲージメント」、「人材育成」への関心が高く、人材に対する取組や将来的な成長可能性を知りたいと考えているようです。
また、新規学卒者においては、「ESGを重視する傾向」や「成長できる」、「人材育成に積極的」などに高い傾向がみられ、
人的資本への投資に積極的な企業姿勢は学生へのアピールにも繋がると示唆されています
このような経営戦略と人材戦略に沿った人的資本投資(人への投資)戦略的な人的情報の開示が自社に合った“優秀な人材の確保と定着”に繋がります。

社内外問わずステークホルダーの関心を高めるためにも、”戦略的な人的情報の開示”を行うことが重要です。
利益を向上させるためには、人材を確保しなければなりません。成長への期待を高めるためには、人材を定着させなければなりません。
自社に合った“優秀な人材の確保と定着”のためには、経営戦略と人材戦略に沿った
1.エンゲージメント向上を目指すこと
2.人材(後継者)を育成していくこと
3.人材への必要な投資を行うこと
など人への投資である、人的資本投資(人への投資)戦略的な人的情報の開示を行うことが重要です。

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4)ところで、”人的資本”って何?

ところで、いまなぜ”人=人材”に注目が集まっているのでしょうか?
”人的資本”って何でしょうか?

IIRC(国際統合報告評議会)のフレームワークにおける資本の分類と説明によると、資本といわれているものには、財務資本をはじめ6つの資本(財務資本、製造資本、知的資本、人的資本、社会・関係資本、自然資本)があり、
人的資本:人々の能力、経験及びイノベーションへの意欲、例えば、
     ● 組織ガバナンス・フレームワーク、リスク管理アプローチ及び倫理的価値への同調と支持
     ● 組織の戦略を理解し、開発し、実践する能力
     ● プロセス、商品及びサービスを改善するために必要なロイヤリティ及び意欲であり、先導し、管理し、協調するための能力を含む。
            と説明されています。

HCMなりに言い換えれば、“一人ひとりの持つ能力や経験、意欲を資本と捉える”ということが人的資本ではないでしょうか。
だからこそ、”人=人材”に再注目が集まっているのです。

5)戦略的な”人的情報の開示”に向けて

”人的情報の開示”には、国際規格(グローバルスタンダード)であるISO30414に準拠することをお勧めします。

「ISO30414に準拠」するメリットは、3つです。
1.定量化された指標のため、人的資本への投資の方向性等改善に向けた議論ができること
2.透明性の高い人的資本データを社内外のステークホルダーに情報提供できること
3.自社に合った”優秀な人材の確保と定着”に繋がること

たとえば、北海道にある『さいわいデンタルクリニック』様では、従業員数30名ほどですが、コンサルティング会社に支援を受けながら、ISO30414に準拠した内容で、「People Fact Book」を公開しています。
定量データだけではなく、ビジョンや経営者からのメッセージも掲載されており“人的情報の開示”にあたりとても参考になるものです。

また、大阪にある企業で、世界で初めて中小企業としてISO30414の認証を取得した『レクストホールディングス株式会社』様の「Human Capital Report」です。こちらも理念や戦略、取組みと定量データをわかりやすく掲載されています。

もちろん、開示するだけでは意味がありません。開示することが目的でもありません。

目指すべきことは、自社に合った”優秀な⼈材の確保と定着”です。

そのためには、経営戦略と人材戦略に沿った効果的な開示を行うことが重要です。

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6)「人的資本経営」のポイント

「人的資本経営」のポイントは、3つです。
1.エンゲージメント向上を目指すこと
 経営戦略の実現に向け、従業員が能⼒を⼗分に発揮するためには、やりがいや働きがいを感じ、主体的に業務に取り組める環境整備が重要です。戦略に沿ったエンゲージメント項⽬を整理し、定期把握しながらレベル向上を⽬指していきます。
2.人材(後継者)を育成していくこと
 ⼈⼿不⾜による倒産は年々増加傾向にあります。後継者準備不⾜、⼈材確保の困難さ、後継候補者(中核)の独⽴や転職などが理由です。企業が永続するためには⼈材が不可⽋です。そのためには戦略に沿った⼈材育成が必要不可⽋です。
3.人材への必要な投資を行うこと
 経営戦略に沿った⼈材戦略のもとで、⼈材開発や育成に必要な投資を安定的に⾏っていくことは、後継者育成にもつながります。また、⼈に対する投資の費⽤対効果が⾼いほど効率的に⼈的資本へ投資されている指標となります。⼈的資本RoIを⾼めることを⽬指します。

7)⼈的資本(ISO30414)経営の測定と効果

7.1 組織の在り方

● 倫理とコンプライアンス組織として倫理・コンプライアンス・労働慣行を把握し、研修等により理解度を高め、苦情や懲戒処分の件数を軽減させていくこと。
● ダイバーシティ年齢・性別・障碍者・国籍や経営層の比率等事業戦略を実現するうえで、合致した構成に近づけていくこと。また、日本における男女間賃金格差の更なる縮小を図ること。
● 組織と風土従業員のエンゲージメントや満足度向上のための課題を明確にし、施策を実行することにより、人的資本の価値を高めていくこと。
● 健康・安全・幸福業務上・外関わらず、精神的・身体的な健康維持・向上を図るための施策を立案・実施・管理・検証できる体制を構築し、労働環境の向上を図り、生産性を高めること。

7.2 投資効果

● コスト社内外における労働力の財務価値を図り、労働力の活用状況と公平・公正な処遇であるかを確認する。また、人材育成や福利厚生に対する投資や費用が適切であるかを把握し、企業価値の向上に繋げていくこと。
● 生産性従業員1人あたりの売上・利益等から業績を図るとともに、人的資本に対する投資を検証することにより、効率的に人的資本への投資を目指すこと。

7.3 人材開発

● 採用・異動・離職人材戦略に合致した要員計画を立案し、質の高い採用、重要ポストへの適正配置、経営に影響を与える離職がないか等を定期的に検証しながら、企業価値の向上に繋げていくこと。
● スキルと能力経営戦略に合致した人材開発・育成のための能力開発プログラムや研修等を立案し、実施すること。また、定期的に受講時間、受講率、効果測定を行い、企業価値の向上に繋げていくこと。
● 労働力適正人員、労働時間・欠勤発生率等の労働力の適正化を目指すこと。

7.4 人的経営

● リーダーシップ信頼度の高いリーダーシップ開発・育成や重要ポストの充足度合の測定等を定期的に行い、人的資本の価値を高めていくこと。
● 後継者計画自社を担う後継者計画を立案、実行し、重要ポストの充足度合の測定等を定期的に行い、人的資本の価値を高めていくこと。

人的資本に関する制度開示関係他

関係法令名等開示項目・内容事業規模開示時期等
女性活躍推進法① 一般事業主行動計画(計画期間、達成しようとする目標、対策内容及びその実施時期)
② 次の⑴及び⑵の情報の区分ごとに定める事項
 ⑴ 女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供に関する実績
  採用した労働者に占める女性労働者の割合、管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合等
 + 男女の賃金の差異(必須)
 ⑵ 職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績
  男女の継続勤務年数の差異、一月当たりの平均残業時間、有給休暇取得率等
① 労働者数が100人を超える事業主
② 労働者数が100人を超える事業主 300人超の会社は⑴⑵それぞれから1つ以上 +男女の賃金の差異(必須)、101人300人の会社は⑴⑵全体から1つ以上
2022年4月全面施行
男女の賃金差異は事業年度の開始日からおおむね3か月以内
労働施策総合推進法正規雇用労働者の採用者数に占める正規雇用労働者の中途採用者数の割合労働者数が300人を超える会社2021年4月
育児介護休業法育児休業の取得の状況
(①男性の育児休業等の取得率又は②男性の育児休業等及び育児目的休暇の取得率)
労働者数が1000人を超える事業主2023年4月
次世代育成支援対策推進法一般事業主行動計画
(計画期間、次世代育成支援対策の実施により達成しようとする目標、対策内容及びその実施時期)
労働者数が100人を超える事業主2011年4月
若者雇用促進法(ア)募集・採用に関する状況
(イ)職業能力の開発・向上に関する状況
(ウ)企業における職場定着に関する状況
規模なし2016年3月
副業・兼業の促進に関するガイドライン副業・兼業に関する情報の公表について規模なし2022年7月
健康経営(経済産業省)健康経営の拡大と健康情報の開示規模なし2022年以降
有価証券報告書(金融庁)①人的資本「人材育成方針」、「社内環境整備方針」
②多様性「男女間賃金格差」、「女性管理職比率」、「男性育児休業取得率」の記載
上場会社等(金融商品取引法適用会社)2023年3 月 31 日以降の期
人材開発支援助成金(厚生労働省● 人への投資促進コース
● 事業展開等リスキリング支援コース
規模なし2022年
期間は財源による