令和5(2023)年5月30日に今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会報告書(案) 骨子が公表されました。

6月1日、第5回こども未来戦略会議が開催され、「こども未来戦略方針」案が示されました。

「こども未来戦略」の基本理念は、次の3つです。
①若い世代の所得を増やす
②社会全体の構造・意識を変える
③すべてのこども・子育て世帯を切れ目なく支援する

中でも次の3点について検討が進められるため、人的資本経営の観点から今後の動向が注目されます。

●個人の主体的なリ・スキリングへの直接支援
5年以内を目標に検証を行いながら、教育訓練給付の補助率などの拡充を検討されます。
また、訓練期間中の生活を支えるために新たな給付や融資制度の創設についても検討されます。
これにより、個人の主体的なリスキリングを促進し、社会の変化に対応するための能力向上の支援が拡充されることとなり、
従業員のスキルアップと経営への効果的な取り組みが可能となる可能性があります。

●男性育休の取得促進
目標として、公務員の育児休業取得率を2025年に85%(1週間以上)、2030年に85%(2週間以上)とし、民間は2025年に50%、2030年に85%と引き上げます。次世代育成支援対策推進法を改正し、一般事業主行動計画に具体的な数値目標やPDCAサイクルを法的に位置づけることを検討が進められます。
このことから、育児休業取得率の開示制度を拡充し、有価証券報告書への開示が必要となる可能性が出てきました。
給付面では、出生後一定期間内に両親が育児休業を取得することを促進し、給付率を引き上げが検討されます。
中小企業への助成措置を強化がされることで、代替期間に応じた支給額の増額や育児休業の取得状況に応じた加算などを検討されることになります。

●育児期を通じた柔軟な働き方の推進
こどもが3歳までの場合、育児・介護休業法に加えてテレワークを事業主の努力義務に追加することを検討されます。
こどもが3歳から小学校就学前までの場合、短時間勤務、テレワーク、フレックスタイム制など柔軟な働き方を包括する制度を創設し、労働者が選択できるようになり、
残業免除の対象年齢引上げや、時短勤務による賃金補填を行う給付制度の創設も検討されます。
また、子の看護休暇の対象年齢引上げや休暇取得事由の範囲見直しを行い、労働者の健康確保のために勤務間インターバル制度やストレスチェック制度の導入が検討されます。